審判事例で見る、杜撰な税理士には気をつけろ!

税金の話
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こんにちは!江戸川区葛西のギタリスト税理士 中村剛士です。

今日は2週間ぶりの朝会でした。
先週お盆休みだったので、朝がキツかったですw

最近新入会メンバーが急増しているので、
顔と名前がうろ覚えになっていますw

早く覚えなければ。

さて今日は、アホくさいというか、
税理士が杜撰すぎる(と思われる)審判事例を見つけたので、
紹介がてら解説したいと思いますw

子供名義の土地賃借料が親に帰属するとされた事例

国税不服審判所HPより抜粋

不動産所得(駐車場の賃料)の帰属について、使用貸借契約等が有効に成立したとは認められず、その収益は貸主名義にかかわらず、土地の所有者である請求人に帰属するとした事例(1平成26年分の所得税及び復興特別所得税の更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の通知処分、2平成26年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分・棄却・平成30年10月3日裁決)
↑↑↑ここまで↑↑↑
これだけ見ると意味が分からない思いますので、
内容をまとめます。
【行われたこと】
平成26年1月25日に、貸駐車場を複数所有している父親から、
子供達へ土地をタダで使わせる契約を結び、
アスファルトやフェンスの贈与契約書を作成した。
さらに、2月以降の入金についても子供名義の口座に変更している。
【事実①】
上記は長男から相続対策の相談を受けた税理士法人が企画し、
契約書もその税理士法人が用意したモノを使っている。
【事実②】
父親は26年分の所得について、1月分のみを確定申告をしたが、
税務調査の際に、2月以後の賃料収益については子供が申告することとなった経緯はわからない、
本件各契約の契約書も知らず、署名・押印したことはないと申述していた。
【処分内容】
2月以降の所得も父親のモノであるので、
申告し直し+過少申告加算税+延滞税を払え。

解説 所得は分散すると所得税が下がる

父親の所得が高く、累進課税により高額の所得税を納付していたので、
父親の所得を子供たちに分散することで、所得税の分散を図るという手法です。

所得税の一覧です。

例えば、父親の所得が2,000万円だった場合、
20,000,000円×40%ー2,796,000円=5,204,000円の所得税となります。

コレを、子供と1,000万円×2人にした場合は、
10,000,000円×33%ー1,536,000円=1,764,000円
1,764,000円×2人=3,528,000円の所得税とまります。

トータルの所得は2,000万円ですが、
分散しただけで170万円ほど税金が下がりました。

今回のケースもコレを基本としています。

さらには、父親に入るキャッシュが子供へ行くため、
将来的な相続対策にもなるという、一石二鳥の施策です。

通常ちゃんと処理されていれば、
問題無いスキームなのですが、
今回は説明と根回しが全く足りていないのが透けていますねw

事実①②を見る限り、
長男主導で「コレに判子押すだけで税金下がるから!」
と言われて、確認もせずに判子押しただけなのでしょう。

普通、税理士が説明するはずなんですけど。
こんなの絶対刺されますって。
実際刺されている訳なんですがw

解説 名義だけでなく実質も動かすなら所有権を

今回は、駐車場用地の上に敷いてある
アスファルト等を子供に贈与しています。

そして、土地そのものは子供にタダで
使わせるという契約になっています。

コレで理屈上は『子供が父親から土地を借りて、貸し駐車場をやっている』
という体にしたかったようです。

流石に無理筋ですね。

やるんだったら、土地そのものを贈与するか売却するなりして
所有権ごと子供に動かさないと厳しいです。

若しくは、管理人を常駐させるとか、
機械式の駐車場を子供が建てるとかしていれば良かったのですが、
特にそのようなこともなかったようです。

多分、相談受けていた税理士は相続に明るくないのではないでしょうか?
もし、ちゃんとしたところに相談し、
然るべき方法でちゃんと出来ていれば、
全く問題無く移転できたはずです。

それなりに税金払うことになるとは思いますが。

編集後記

ということで『審判事例で見る、杜撰な税理士には気をつけろ!』でした。

もしコレで『相続専門です』とか言ってたらウケますねw
詰めが甘すぎます。

というか、こんなリスキーなことやるなら、
関係者全員集めて口裏を合わせるくらいしとかないとヤバいです。

さらには父親に調査が入ったのなら、
調査前に改めて打ち合わせしておくのが普通だと思うのですが・・・