年の途中で転職した場合の年末調整

税金の話
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2019年12月2日(月)

こんにちは!江戸川区葛西のギタリスト税理士 中村剛士です。

今日はお客さんの会社を途中退社した方から、
源泉徴収票の依頼があったので、作成しました。

その方はご主人の転勤に伴い退職となった方で、
転勤先でまた別の会社に勤め出したようです。

つまりは、この方は2つの会社の源泉徴収票を貰うということになります。
このような場合の年末調整はどうなるのでしょうか?
今日はその辺解説してみたいと思います。

源泉徴収票が2枚あるケース

源泉徴収票は1社で1枚です。
勤め先から今年いくらの給与をもらって、
いくら社会保険を払って、といったデータが一覧になったものです。

年末調整が終わった後の金額で発行しますので、
その年の所得証明としても使えるヤツです。

そんな源泉徴収票が2枚あるケースとは、
どのようなことが考えられるでしょうか?

2つ考えられます。
①冒頭のように、年の中途で退職→別会社に就職となるケース
これは良くあるケースですね。
私も経験あります。
この場合は、前の会社から1月1日から退職日までの源泉徴収票が出て、
12月31日までの分が新会社から出ます。

②2社から給与が出ているケース
これも、そこそこあるケースです。
2社以上に同時に所属していて、それぞれから給与をもらっているケースです。
私は現在このタイプです。
経理のお手伝いをしている会社とは一応雇用契約となっていますし、
自分で法人を作っていますので、2か所から給与が出ていることになります。
税理士として個人事業主でもありますがw

私はちょっと特殊ですが、
2社以上経営している社長はザラです。

年末調整の違い

上記のうち、年末調整で片付く場合と、
確定申告しなければならない場合があります。

年末調整で片付くのは①です。
②の場合は確定申告しなければなりません。

違いは何なのでしょうか?

それは『常に1社からしか給与をもらっていない』ということです。
①の場合は、通年働いている他の方と同じ扱いです。
1社からしか給与をもらっていないので、
年末調整をすれば、所得計算が完結するんですね。

それに対して②は、年末調整しても完結しません。
別会社からの給与がありますので、
片手落ちになってしまうということです。
この場合は、確定申告が必須となります。

当然の話ですが、医療費控除やふるさと納税をした場合などは
①のケースであっても確定申告が必須となりますので注意です。

①のケースの年末調整の仕方

簡単です。
前の会社から源泉徴収票を発行してもらって、
新しい会社に提出しましょう。
年末調整時に『前職分』を記入する欄がありますので、
そこで調整が図られます。
今年貰った新会社の源泉徴収票の真ん中辺に『備考欄』がありますので、
そこに『前職分』の記載があればOKです。

もし提出が間に合わなくて、
入社日以降の源泉徴収票しかもらえなかったとしても大丈夫です。
確定申告すれば問題ないですし、
会社に年末調整のやり直しをしてもらうこともできます。

会社に言うのは気まずいというのであれば、
確定申告しましょうw

編集後記

ということで『年の途中で転職した場合の年末調整』でした。

前職の源泉徴収票が間に合わなければ確定申告して下さいね。
「届かないから良いや」ではありません。

コレやると脱税になる可能性がありますが、
還付になることが多いと思います。

戻ってこなくても良いやと思うかも知れませんが、
本来は納めなくて良い税金を納めているということですので、
勿体ないですよ!