知らなかったじゃ済まされない!税理士とリスク

中村剛士の話
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江戸川区葛西のギタリスト税理士 中村剛士です。

今日は、最近知り合った理容師さんのところへ髪を切りに行ってきました。

ビフォーアフターはありませんが、
トップに比べてサイドの毛量が多いため、のっぺりしていたのを
トップをふんわりさせ、サイドをすっきりさせることで、
若々しい雰囲気になりました。(自画自賛w)

切っている最中にも「今は○○という意図でこう切っています」
と説明をしていただいたので、今までは何となく髪を切られていただけ
だったんだということが分かりました。

これは、私の世界でもそうだなと思いました。

ただ資料を受け取って入力し、
税金を計算しているだけの税理士がどれだけいることか。

今日は、そうならないためにも、
私が説明しておくべき、そしてお客様が理解しておくべきリスクについてまとめます。

リスクの前の予備知識。税金の集め方知ってる?

日本の税金は、大きく分けて『申告納税方式』と
『賦課課税方式』という2つのシステムで徴収されます。

『申告納税方式』とは、納税者自ら税額を計算し、納税する方式で、
所得税、法人税、消費税などで採用されています。

これに対し『賦課課税方式』とは、
国や地方団体などの課税側が税額を決定し、徴収する方法で、
固定資産税、たばこ税、酒税などで採用されています。

では、ここでクイズです。

『申告納税方式』と『賦課課税方式』で危ないのはどちらでしょう?

 

クイズの正解とリスクの話

正解は、当然『申告納税方式』ですね。

『賦課課税方式』は国等が税額を決定しますので、
納税者の恣意性が介入する余地がありません。

これに対し『申告納税方式』は納税者が税額を自分で計算しますので、
恣意性が介入します。

つまり、『申告納税方式』の場合は、
売上の除外や経費の水増しが容易に出来てしまうのです。

これには、意図的にやる場合と、意図せずそうなってしまう場合がありますが、
申告した時に問題になることはありません。

問題になるのは税務調査を受けたときです。

税務調査は、売上の除外や経費の水増しがないかどうか、
ちゃんと計算されているかどうかを見に来るモノですが、
バレる場合と、バレない場合があります。

意図してやったとしても、5年間税務署にバレなければ、
それが覆されることはまずありません。

極端な話、架空の経費を計上していたとしても、
5年過ぎれば架空じゃなくなります。

その申告は正しいモノとして取り扱われてしまうのです。

これがリスクです。

架空の経費を入れて申告することは簡単です。
しかし、それがバレるかバレないかは時の運。

バレなければお上のお墨付きになりますが、
バレたときは追徴課税でえげつない金額の税金を払うことになります。

最悪、架空経費の70%+利息分が税金として持って行かれます。

これを理解した上で、そのレシートを経費に入れますか?

税理士の考え方も税法の正解も一つではない

繰り返しになりますが、そのレシートを経費にいれて申告するのは簡単です。

ただ、その前段階で経費に入れるか入れないかの検討をしてください。
この検討の際の思考が、税理士ごとに異なります。

これは、税法が『白黒ハッキリ』ではなく、
ある程度の『緩さ』をもって作られているためです。

明確な白と明確な黒の間に膨大なグレーゾーンがあるわけですが、
そのグレーゾーンの中で『どの濃さまで踏み込むか』が税理士ごとに違うのです。

ですので、きっちり打合せた上で、
自分の考えに合った税理士を探すのも重要でしょう。

経費に入れて欲しくてレシート集めたのに、税理士が勝手に廃棄していた
なんてケースもよくある話ですから。

編集後記

ということで『知らなかったじゃ済まされない!税理士とリスク』でした。

ちなみに私は必ずリスクの話をし、
どの濃さまで行くかはお客様に選んでいただくようにしています。

さすがに濃すぎるのは止めますが、薄めるテクニックもありますので。
逆に、薄すぎる場合はもう少し濃くても大丈夫ですと言うこともあります。

まぁ、そんな方は滅多にいませんけどw